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「テニス観戦をより面白く、より深く」をモットーにしたブログ。錦織選手をはじめ、ATPツアーについて書きます。ちなみに中の人は見る専。

錦織、西岡の全米オープン 2Rまで

こんばんは。

 

今回は予告通り、日本人男子の全米オープンについて振り返ってみたいと思います。

 

錦織選手の3回戦については別に分析したいと思います。

 

まずはその錦織から。前哨戦はワシントンを欠場、そしてカナダ、シンシナティの二週連続MSでともに初戦敗退。それぞれストローカーのガスケ、西岡に敗れました。

 

ウィンブルドンからの肘のケガは癒えず、シンシナティでは「呼吸が苦しい」というコメントもあり、試合勘とフィジカル面の両方に不安を抱えた状態で全米オープンを迎えました。

 

ドローはまずまず。初戦はランク205位の予選勝者、Trungellitiとの対戦で、2回戦もともにランク100位台のモンテイロかクランとあたることに。危険なノーシードを回避した。

 

3回戦も対抗シードは[31ガリンを引き、キリオスやペールなどの危険なシードは回避できたが、次世代屈指のスピードスターであるデミノーがこのブロックにおり要警戒。

 

4回戦の対抗シードは調子の上がらない[12]チョリッチで、準々決勝で対戦が想定される[3フェデラーにどのようなコンディションで挑めるかが注目された。

 

大会前週はしっかり練習をこなして迎えた初戦。相手のTrungellitiとのプレーレベルの差は明らかだった。ストローク戦ではケガの影響を感じさせない内容で圧倒。

 

第2セット途中で相手選手が腹部に痛みを感じ、途中棄権。わずか47分で勝利した。体力は温存できたが、試合勘はあまり戻せなかった。ややDFの多さが気になった。

 

2回戦の相手はモンテイロをストレートで下した地元選手のクラン。錦織と同世代で強力なサーブとフォアを持つプレーヤーだ。

 

この試合は序盤から相手のサーブを攻略し、第1セットを先取。第2セットもリード。しかし、ここから試合の流れは大きくかわる。

 

第2セット錦織4-3リードで迎えた錦織のサービスゲーム。直前からクランのサーブがよくなり、やや流れが変わりかけていたこのゲームで錦織にUE3つが出てしまいブレークバックを許すと、クランのサーブとフォアの上向きと錦織のUEが重なり3ゲーム連取され、このセットを逆転で失う。

 

しかし、この試合の錦織はここからしっかり切り替えることが出来た。第3セットは序盤こそクランのサーブとフォアに手を焼くも、自身のUEはしっかり減らし、終盤のチャンスをしっかり取りきりセット獲得。

 

第4セットも序盤から圧倒。徐々に余裕が出てきたのかプレーにも幅があった。しかし錦織5-1リードで迎えたサービス。キープすれば勝利のこのゲームをマッチポイントを握りながらもUEDFで失うと会場の雰囲気、クランのプレーがガラッとかわる。

 

吹っ切れたようにクランのサーブとフォアが威力を増し、クランがマッチポイントをトータル2つしのいで5-5に戻る。しかし、ここで集中力を高めた錦織は6-5で迎えたリターンゲームのワンチャンスを生かし勝利。3回戦へと駒を進めた。

 

次に西岡について。前哨戦のワシントンでゴファンを撃破、シンシナティでは2回戦で錦織に勝利するとデミノーにも勝利し、MS初のベスト8に進んだ。

 

初戦は地元WCのギロンと対戦。データの少ない相手に序盤こそ苦戦するも振り切って4セットで勝利。全米オープン2度目の初戦突破を決めた。

 

2回戦は大ベテランのロペスとの対戦。サーブ&ボレーを軸にしたロペスのサービスゲームを攻略できず。逆に4セットで6度のブレークを許し、屈した。

 

しかし西岡にとってはすばらしい全米オープンシリーズとなり、ランキングも自己最高更新の可能性を残している。

 

今後は錦織選手の3回戦を分析、あるいは全米オープン前半の振り返りをしていきたいと思います。

 

() 各種略称について

 MS:マスターズ1000の大会。グランドスラムに次ぐ格の大会。

 DFダブルフォルト

 UEアンフォーストエラー。自発的なミスのこと。

 WCワイルドカード。主催者推薦のこと。